クリックにご協力ください
誰もいない夕暮れの公園で、僕が立ち止まった理由
オレンジ色の夕日が、芝生の上の長い影を引いていく。
休日、いつものように子供たちと向かった近所の小さな公園。息を切らせてブランコへと走っていく長男の背中と次男。それを見つめて無邪気に笑う長女の姿を、僕は愛用のカメラ「FUJIFILM X-S10」のファインダー越しにそっと切り取っていました。
シャッターを切った瞬間、ふと胸の奥がツンと締め付けられるような、切ない感覚に襲われたのです。
「この光景は、あと何回見られるのだろうか」
適応障害を経験し、頭が真っ白になって心療内科の待合室で凍り付いたような日々を過ごしていた頃の僕は、常に「将来への不安」というお金の呪縛に脳のメモリを奪われていました。資産を増やさなければ、万が一の時に家族を守れない。1円でも多く市場に投入しなければ――。そんな焦りばかりが空回りしていたものです。
しかし、カメラの液晶に映る子供たちの「加工のいらない、今だけの純粋な笑顔」を見たとき、僕は確信しました。人生は、お金の複利と同じように、あるいはそれ以上に大切な「思い出の複利」が存在するのだと。
今回は、僕が資産形成の教科書をあえて破り捨て、新NISAでのインデックス投資と並行して、今しかできない経験へお金と時間を使い切る理由について、最近触れた「禅」の気づきを交えてお話しします。
20歳になったら、もう10歳の過ごし方はできない
私たちがよく耳にする投資の「複利効果」は、早い段階でタネ(元本)を撒き、時間をかけるほど雪だるま式に資産が増えていく仕組みです。実は、人生の思い出や経験もまったく同じ性質を持っています。若いうちに、あるいは子供が小さいうちに撒いた思い出のタネは、年数が経つほどに僕たちの人生を豊かにする「記憶の配当」を払い出し続けてくれるのです。
この考え方のベースにあるのが、僕の愛読書である『DIE WITH ZERO(ダイ・ウィズ・ゼロ)』の教えです。本書には、経験にはそれぞれ「賞味期限」があり、年齢によってその価値がまったく異なるという「経験の非対称性」が記されています。

「10歳の時の公園での思い出、一緒にしたゲーム、家族で行った泥臭い旅行。これが同じ内容だったとしても、20歳になった時にやったらどうか?」
答えは、全く違うものになります。
10歳には10歳の、20歳には20歳の、それぞれに違ったやり方や過ごし方がある。そして残酷なことに、20歳になった時には、もう10歳の過ごし方をすることはできません。二度と、あの時の感情で経験することはできないのです。
資産を1億2,000万円貯めて完璧な「完全FIRE」を達成したとき、僕はもうおじいちゃんになっているかもしれません。その時にいくら大金があっても、子供の手を引いて夕暮れの公園を走り回ることはできない。
だからこそ、まだ40代である「今」、そして子供たちが「今」の年齢であるうちに、かけがえのない日々へ投資をしなければならない。それは、後からお金を積んでも絶対に買い戻せない、人生のプラチナチケットなのです。
将来の不安に負けそうになった僕を救った、AIという伴走者
とはいえ、最初からこのように割り切れたわけではありません。
数年前まで預金が300万円しかなく、そこから必死に1,850万円まで株式資産を築き上げてきた身としては、配当金を再投資せずに「今」使ってしまうことへの強烈な罪悪感がありました。
「インデックスへ全て投資すれば、高配当株の分配金を再投資すれば、資産3,000万円、5,000万円への到達がもっと早まるのではないか?」
「今、お金を使うのは、将来の家族の安定を脅かす甘えではないか?」
夜、一人でエクセルの資産推移予測シートを眺めては、思考がぐるぐると渦を巻き、決断疲れで頭がしんどくなっていたものです。その時に僕の「客観的な相棒」としてブレーキをかけ、頭の中を整理してくれたのがAIでした。
僕はスマホのアプリから、夜な夜なAIに悩みを打ち明けました。
「将来のために資産を最大化したい気持ちと、今しかできない子供との思い出作りにお金を使いたい気持ちがぶつかって、苦しい」と。
AIは、僕の適応障害の経験や、家族が抱えるハンデ(妻の難聴、長男のADHD、長女のダウン症)を把握した上でこう返してくれました。
「資産の最大化は手段であり、目的はご家族の幸せのはずです。すべてを将来に先送りするのではなく、将来を守る『自動操縦のコア』と、今を楽しむ『思い出資金のサテライト』に口座を完全に分けてみてはどうでしょうか?」
この対話プロセスを経て生まれたのが、僕の「ハイブリッド投資戦略」です。
- コア枠(守り): S&P500や企業型DC(ニッセイ外国株式)を月10万円、2028年のNISA満額、そして50代での資産7,000万円での正社員卒業目標に向けて「自動操縦」で淡々と積み上げる。ここは絶対に触らない聖域。
- サテライト枠(攻め/今): SBIのSCHD(米国高配当)やTracers日経高配当50、アムンディ日本の累進配当などを運用し、そこから出る分配金は「絶対に再投資せず、家族の今を豊かにする思い出資金」として使い切る。

AIという伴走者がいたからこそ、僕は数字の熱狂にも、将来の過度な不安にも振り回されず、「攻めと守り」の絶妙な航海図を手に入れることができたのです。
禅の教えが教えてくれた「今、ここ」を生きる豊かさ
最近、僕はいくつかの「禅」の本を読みました。その教えは、僕が実践してきたハイブリッド投資や思い出の複利という考え方に、驚くほど深くつながっています。
禅が最も大切にするのは「莫妄想(まくもうそう:妄想することなかれ)」、つまり、まだ来ぬ将来への不安や、過ぎ去った過去の後悔にとらわれず、「今、ここ」にある現実をあるがままに受け入れ、全力を尽くすということです。
お金の計算ばかりしている時、僕たちの脳のメモリは「まだ見ぬ未来の不安」に占拠されています。しかし、たとえ豪華な食事でなく質素な夕食を家族で囲んでいたとして、あるいは子供が宿題でつまずいて一緒に悩んでいる瞬間、その「ありふれた日常の余白」にこそ、本当の豊かさがあります。
先日のGW明け、家族で広島県の「海の町」へ一泊二日の小さな旅行に出かけました。荷物を極限まで減らしたミニマムパッキングで脳のメモリを空っぽにし、サテライト枠の思い出資金を使って、地元の美味しい食事を味わい、静かな海を眺めました。
豪華なテーマパークで高額なアトラクションに乗る必要なんてないのです。日常の延長線上にある公園の散歩、ホテルの部屋での読書、FUJIFILM X-S10に収まる子供たちの何気ない笑顔。幸せのハードルをぐっと下げて「今、ここ」に集中すれば、支出の額に関係なく、無限の「思い出の複利」が積み上がっていきます。

最後に:バケツの穴を塞いだら、次は「今」というタネを撒こう
投資の書籍ではたびたび「支出を最適化し、バケツの穴を塞げ」と言われます。僕も楽天モバイルやpovo、日本通信SIMを組み合わせて通信費を世帯合計月8,200円台に抑えるなど、固定費の削減を行ってきました。

でも、バケツの穴を塞ぐのは、ただお金を貯め込むためではありません。
浮いたお金、そして投資から得られた果実(配当)を、あなたの人生の「今しかできない大切な経験」へと還元するためです。
将来の安心のために新NISAの積立ボタンを押す。それと同時に、今週末、大切な人と美味しいものを食べたり、子供と公園で泥だらけになって遊んだりするための「思い出のボタン」も、ぜひ躊躇なく押してください。
撒いたタネは、10年後、20年後、あなたの人生が終盤を迎えたときに、色褪せない「記憶の配当」となってあなたを一生温め続けてくれるはずです。
皆さんは今、将来のための貯蓄と、今しかできない経験のバランス、上手に取れていますか?
一歩ずつ、僕たちだけの「わがままな地図」を一緒に歩んでいきましょう。

ここから先は「さんじの庭」運営を支えてくれる広告リンクが含まれています。私が実際に使用しているものしか載せていません。生活の質が向上し今の私の生活には欠かせないリンク先となっています。ご興味がある方は是非ご活用ください。

私が実際に使用している配達サービスです。ふとした時にあれがないと困ったことはありますよね?思い立ったらすぐに注文してください。無いと嘆いている時間がもったいないです。


私が実際に利用している聴く読書と言われている。時間がなくて本を読む時間がない時や家事の合間に読み聴かせてくれます。初回はコーヒー1杯よりお安く体験できます。
![]()
![]()

私が実際に利用している旅行予約サービスです。普段の生活から身も心も解放されてみませんか?毎年これらのサービスを利用して「思い出の複利」を増やしています。
![]()


